公営住宅の当選倍率まとめ
【主要都市の応募倍率と、障害者・ひとり親世帯の当選優遇】
最終更新:2026-07-03 / データは各自治体・住宅供給公社の募集結果より(順次拡充・出典は各行と末尾に)
家賃が安い公営住宅(都営・県営・市営など)は人気が高く、都市部では当選倍率がとても高くなります。ところがこの倍率、自治体ごとに募集結果がバラバラに公表され、探すのがとても面倒です。このページは、分かっている範囲の応募倍率を出典と時点つきでまとめ(順次拡充します)、さらに障害者・高齢者・ひとり親世帯が「当選しやすくなる」優遇の仕組みを当事者目線で整理します。
この記事の要点公営住宅の倍率は地域と住戸タイプで大きく差があり、東京都心の単身向けは数十〜100倍超になることも。ただし障害者・ひとり親などの世帯は「優遇抽選」「ポイント方式」「優先枠」で当選確率を上げられるのが最大のポイントです。倍率の低い住戸を選ぶコツも後半で紹介します。
① なぜ倍率が高い? 公営住宅の当選の仕組み
公営住宅は、収入が一定以下の世帯向けに自治体が安い家賃で貸す住宅です。家賃が民間よりかなり安いため応募が集中し、多くは抽選で入居者を決めます。倍率が跳ね上がる理由と、当選方式を押さえておきましょう。
| 方式 | 決め方 | ねらい |
|---|---|---|
| 一般抽選 | 申込者からくじ引きで当選者を決める | もっとも一般的。倍率がそのまま当たりにくさになる |
| 優遇抽選 (当選倍率の優遇) | 対象世帯は抽選で複数の票(当選番号)を持てる=当たりやすい | 障害者・高齢者・ひとり親などの当選確率を上げる |
| ポイント方式 (困窮度評価) | 住宅に困っている度合いを点数化し、点数の高い順に決める(抽選でない) | 本当に困っている世帯を優先する |
| 優先枠・特定目的 | 障害者・ひとり親・高齢者などの対象世帯だけが申し込める住戸 | 競争相手が限られるため入りやすい |
倍率が特に高くなりやすいのは、①都心・人気エリア、②単身者向け住戸、③新築・きれいな住戸です。逆に、郊外・世帯向け・築古・追加募集(先着や随時)などは倍率が下がりやすい傾向があります。
② 主要都市の応募倍率(分かっている範囲・順次拡充)
各自治体・住宅供給公社が公表した募集結果から、分かっている範囲でまとめました。倍率は募集回・住戸・年度で大きく変わります。空欄(調査中)は今後の募集結果を反映していきます。
| 地域 | 事業主体 | 区分 | 応募倍率 | 時点 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| 全国 | 公営住宅(参考・全国平均) | 全体 | 約5.8倍 | 平成26年度 | 国土交通省 資料 |
| 札幌市 | 市営住宅 | 定期募集(全体・年度平均) | 約17.3倍 | 令和5年度(2023年度) | 札幌市『市営住宅の管理概要 資料5』(547戸/9,488人。団地別は最高 幌北175.8倍〜最低 稲積0.5倍) |
| 仙台市 | 市営住宅 | 一般募集(近年の平均) | 約8倍 | 令和8年3月時点 | 仙台市営住宅の整備及び管理の基本方針 |
| さいたま市 | 市営住宅 | 一般募集(1回当たり平均) | 約10.6倍 | 令和6年度(2024年度) | さいたま市市営住宅等長寿命化計画(令和8年3月)p.23 |
| 千葉市 | 市営住宅 | 一般募集(住戸別・平均は非公表) | 約1〜35倍(例:宮野木町第2団地35倍) | 令和8年度第1期(2026年4月) | 千葉市住宅供給公社『市営住宅抽選結果一覧表』 |
| 東京都 | 都営住宅 | 単身者向け(人気区の例) | 数十〜約180倍 | 2025年8月 定期募集 | JKK東京 抽せん結果(新宿179倍・江東60.9倍・墨田46.5倍 等) |
| 東京都 | 都営住宅 | 世帯向け(都心区は特に高い) | 目安 十数〜数十倍 | 近年の定期募集 | JKK東京 定期募集結果 |
| 川崎市 | 市営住宅 | 定期募集(全体平均) | 約10.5倍 | 2026年2月(令和7年12月募集) | 川崎市『令和7年12月の市営住宅入居者募集に係る抽選結果』(応募1,808人) |
| 横浜市 | 市営住宅 | 定期募集(全体平均) | 約9.9倍 | 2026年1月(令和7年10月募集) | 横浜市記者発表『横浜市営住宅の抽選結果について』(501戸/4,950人) |
| 神奈川県 | 県営住宅 | 一般世帯向け(新築) | 約6.5倍 | 平成27年11月時点(参考) | 神奈川県 |
| 神奈川県 | 県営住宅 | 改良住宅 | 約1.7倍 | 平成27年11月時点(参考) | 神奈川県 |
| 名古屋市 | 市営住宅 | 一般募集(応募者倍率・合計) | 約5.2倍(一般世帯向 約5.6倍) | 令和7年度第1回(2025年6月) | 名古屋市『令和7年度第1回市営住宅入居者一般募集の抽せん結果』 |
| 京都市 | 市営住宅 | 一般選考(平均) | 約16.7倍 | 令和7年9月募集(2025年9月) | 京都市『令和7年9月市営住宅入居者募集公開抽選結果』(54戸/902名) |
| 大阪市 | 市営住宅 | 定期募集(公営・改良の平均) | 約4.2倍(近年4〜5倍で推移) | 令和6年度(定期募集) | 大阪市『大阪市営住宅ストック総合活用計画(案)令和8年』P19 |
| 神戸市 | 市営住宅 | 一般募集(住戸別・平均は非公表) | 約0〜144倍(例:新大和東144倍・神楽100倍) | 令和7年8月募集(2025年8月) | 神戸住環境整備公社『令和7年8月募集 当選・補欠抽選番号一覧』 |
| 広島市 | 市営住宅 | 全体の平均応募倍率 | 全体 約15倍前後(人気上位1割を除くと約8倍) | 令和8年3月時点 | 広島市市営住宅マネジメント計画(第2期) |
| 福岡市 | 市営住宅 | 一般募集 | 調査中 | — | 福岡市住宅供給公社(抽選結果は住戸別のみ公表・平均は非公表) |
数字は募集回・住戸・年度で大きく変わる参考値です。古い統計(平成年度)は目安として時点を明記しています。倍率は「その回にたまたま人気が集中したか」でも動くため、1回の高倍率だけで判断せず、複数回の傾向で見るのがおすすめです。空欄は順次、各自治体の募集結果から追記します。
③ 同じ市でも、住戸によって倍率は数十倍違う
②の表は市全体の平均です。ところが実際の倍率は、同じ市の中でも住戸によってケタ違いに変わります。各市の公表データから、何が倍率を動かしているのかを見てみます。
| 因子 | 実際のデータ | ざっくりの効き方 |
|---|---|---|
| ① 単身向けか 世帯向けか |
札幌市:単身向け52.2倍 vs 世帯向け10.1倍(令和5年度)。さいたま市:単身23.1倍 vs 一般5.7倍=4.1倍差(市の計画に明記)。横浜市の100倍超はすべて単身可の枠 | 単身向けは市平均の約3倍、世帯向けは約0.6倍 |
| ② 立地 (駅徒歩かバス便か) |
神戸市の公式計画:区別平均で灘区54.8倍・中央区47.3倍 vs 垂水区7.5倍(全市23倍)。札幌市:同じ北区内で駅近195.3倍とバス便2.2倍が併存。築8年・EV有りでもバス便なら1.2倍の例(東雁来) | 駅近は市平均の2倍超、バス便・駅遠は0.3倍前後。「区」より「駅までの距離」 |
| ③ 築年 | 千葉市:平成15年以降築の住戸は5〜35倍、昭和築はほぼ0〜9倍(令和8年度第1期)。神戸市の倍率上位は平成7〜9年の震災復興住宅が大半。ただし駅徒歩3分なら昭和52年築でも49倍=立地が上回る | 築浅(築10年以内)は約1.8倍、築30年超は約0.5倍 |
| ④ エレベーター ×階数 |
横浜市の応募状況表は同一団地でEV有無を直接比較できる形式:4組すべてでEV有り側が2.3〜12.7倍高い(例:上飯田14.0倍 vs 1.1倍)。千葉市・高浜第1(EV無し)は1階29倍・2階4倍・3階0。新潟市はEVなし4・5階を抽選に載せず常時先着順に制度上格下げ | EVなし×3階以上は0.3倍前後。1〜2階なら影響小 |
つまり倍率の序列は 「単身向けか」≧「駅までの距離」>「築年」>「EV×階数」。この構造は調べた5市(札幌・横浜・千葉・神戸・さいたま)で共通でした。裏を返せば、「世帯向け・駅から遠め・築古・EVなし上層階」を許容できるなら、都市部でも1倍前後=ほぼ無抽選の住戸が実在します(千葉市・神戸市・札幌市の応募ゼロ住戸など)。なおトイレの和式/洋式は募集資料に載らないことが多いため、この記事では築年を設備の古さの代理として扱っています(築30年超はおおむね和式・浴槽なし等の可能性が高い)。
あなたの狙う住戸の倍率を補正する【住戸タイプ補正計算機】
②の市平均に、上の4因子の補正を掛けて「狙っている住戸タイプの倍率の目安」を出します。係数は上の表の実データから置いた概算です。
住戸タイプ補正計算機
係数の読み方・要確認補正係数は各市の公表データ(札幌の単身52.2倍/世帯10.1倍、神戸の区別54.8〜7.5倍、千葉の築年別・階数別、横浜のEV有無ペア等)から置いたざっくりの目安で、市や団地により実際の差はもっと大きくも小さくもなります。因子は重なるほど誤差も掛け算で増えるため、2つ以上「わからない」以外を選んだ場合は特に幅をもって見てください。正確な倍率は、各自治体が公表する住戸別・団地別の募集結果(②の出典リンク先)で確認できます。
④ 障害者・ひとり親などは「当選しやすくなる」
ここが公営住宅のいちばん大事なポイントです。倍率が高い=あきらめる、ではありません。多くの自治体では、住宅に困っている度合いが高い世帯の当選確率を上げる仕組みがあります。
当選確率を上げる3つの仕組み①優遇抽選=障害者・高齢者・ひとり親などは抽選で当選番号を複数持てる(当たりやすい)。②ポイント方式=住宅の困窮度を点数化し高い順に決める(抽選ではないので、条件が重い世帯ほど有利)。③優先枠・特定目的住宅=対象世帯だけが申し込める住戸で競争相手が限られる。どれが使えるか・対象範囲は自治体で異なります。
対象になりやすいのは、身体・知的・精神の障害者手帳を持つ方がいる世帯、高齢者世帯、母子・父子(ひとり親)世帯、DV被害者、多子世帯など。自治体によっては複数の優遇が重なって、さらに当たりやすくなることもあります。単身での入居も、一般には住戸が限られますが、高齢者・障害者は単身入居の資格が広く認められる傾向があります。
まず確認することお住まい(希望地)の自治体・住宅供給公社の募集案内で、「優遇」「ポイント」「優先」「特定目的」といった言葉を探してください。該当すれば、申込区分を一般ではなく優遇・ポイント区分にするだけで当選確率が変わります。手帳や世帯状況を証明する書類が必要なことが多いので、募集期間前に準備しておくとスムーズです。
優遇でどれだけ当たりやすくなる?【当選確率シミュレーター】
優遇抽選は、対象世帯が抽選で当せん番号(くじ)を複数持てるしくみです。たとえば東京都営住宅では、対象世帯に当せんのチャンスを5倍・7倍にする優遇があります(倍率・対象は自治体で異なります)。「くじを5枚・7枚引ける」イメージで、そのぶん当たりやすくなります。応募倍率と優遇倍率を入れると、当選確率の目安を計算します。
当選確率シミュレーター(優遇なし → 優遇あり)
計算の前提・要確認この確率は「応募倍率」と「優遇倍率(当せん番号の枚数)」からの概算です。実際の当選確率は、他の応募者にも優遇者がいること・自治体ごとの当せん方式(優遇抽選かポイント方式か)・複数戸を同時に抽選することなどで変わります。優遇の倍率(5倍・7倍など)や対象世帯は自治体で異なるため、必ず募集案内でご確認ください。ポイント方式の自治体は抽選ではなく点数の高い順で決まるため、この確率計算はあてはまりません。
⑤ 倍率を下げる・当てにいく申込みのコツ
| コツ | なぜ効くか |
|---|---|
| 人気の区・新築を外す | 都心・新築は倍率が跳ね上がる。郊外・築古は同じ家賃帯でも倍率が低いことが多い |
| 優遇・ポイント区分で申し込む | ④の優遇に該当するなら、一般区分より当たりやすい。使わない手はない |
| 追加募集・随時(先着)募集を狙う | 定期募集で埋まらなかった住戸の追加・常時募集は倍率が低い。こまめにチェック |
| 単身向けにこだわりすぎない | 単身向けは戸数が少なく激戦。入居資格を満たすなら世帯向けの検討も |
| 落選しても申し込み続ける | 自治体によっては連続落選で当選確率が上がる(優遇ポイント加算)仕組みがある |
要確認・読み方掲載した倍率は各自治体の公表値をもとにした参考値で、募集回・住戸・年度で変わります。優遇・ポイント・優先枠の対象範囲や必要書類、単身入居の可否も自治体ごとに異なり、変更されることがあります。実際の申込資格・倍率・優遇の可否は、必ずお住まいの自治体・住宅供給公社の募集案内や窓口でご確認ください(このページは一般的な情報の共有であり、個別の入居可否を判定するものではありません)。
体験を募集中「この自治体の公営住宅に◯回目で当選した」「優遇(ポイント)区分で申し込んだら早く入れた」「この団地は倍率が低かった/高かった」——そんな実体験は、同じ立場で住まいを探す人の一番の助けになります。ページ下のコメントでぜひ教えてください(個人や住所が特定される情報は書かないでください)。
よくある質問(FAQ)
Q. 公営住宅の当選倍率はどのくらいですか?
A. 地域と住戸で大きく異なります。全国平均は数倍程度ですが、都市部は高く、東京都営住宅の単身者向けでは人気の区で数十倍〜100倍超になることもあります(2025年8月の定期募集で新宿区約179倍の例)。世帯向け・郊外・追加募集の住戸は比較的倍率が低い傾向です。正確な倍率は各自治体の募集結果でご確認ください。
Q. 障害者や母子・父子世帯は当選しやすくなりますか?
A. 多くの自治体で、障害者・高齢者・ひとり親(母子・父子)世帯・DV被害者などに当選確率を上げる優遇があります。抽選で複数票を持てる「優遇抽選」、困窮度を点数化する「ポイント方式」、対象世帯だけの「優先枠・特定目的住宅」などです。対象・方式は自治体で異なるため募集案内で確認してください。
Q. 同じ市でも団地や住戸によって倍率は違いますか?
A. 大きく違います。主な因子は「単身向けか世帯向けか」「駅までの距離」「築年」「EVの有無×階数」の4つ。札幌市は単身52.2倍vs世帯10.1倍、神戸市は区別で灘区54.8倍vs垂水区7.5倍、横浜市は同一団地でEV有り側が2.3〜12.7倍高い、千葉市はEV無し団地で1階29倍・3階応募ゼロ、という公表データがあります。詳しくは③の補正計算機をどうぞ。
Q. 単身でも公営住宅に申し込めますか?
A. 原則は同居親族のいる世帯向けですが、単身での申込みが認められる場合があります。特に高齢者・障害者は単身入居の資格が広く認められる傾向です。ただし単身者向け住戸は少なく人気が高いため倍率は総じて高くなります。可否・条件は自治体ごとに異なります。
あなたの体験、教えてください
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出典(自治体・住宅供給公社ほか)
- JKK東京(東京都住宅供給公社)「都営住宅 定期募集・抽せん結果」 https://www.to-kousya.or.jp/kouei/toeibosyu/
- 国土交通省「公営住宅制度・応募倍率に関する資料」 https://www.mlit.go.jp/
- 神奈川県「県営住宅の募集・応募状況」 https://www.pref.kanagawa.jp/
- 大阪市「市営住宅」 https://www.city.osaka.lg.jp/kurashi/category/3005-2-3-3-0-0-0-0-0-0.html
- 名古屋市「市営住宅の入居者募集」 https://www.city.nagoya.jp/kurashi/category/15-14-4-1-4-1-1-0-0-0.html
- 神戸住環境整備公社「市営住宅の募集」 https://www.kobe-rma.or.jp/individual/municipal/recruitment/
- 【③の因子データ】札幌市住まいの協議会 資料「令和4年度募集で倍率が高かった団地と低かった団地の比較」 https://www.city.sapporo.jp/toshi/jutaku/08osirase/koumoku/documents/daigokaikaigisiryo3.pdf
- 【同】神戸市「第2次市営住宅マネジメント計画」(区別応募倍率) https://www.city.kobe.lg.jp/documents/41824/publichouse_management_plan_2.pdf
- 【同】横浜市記者発表資料(住宅×区分別の応募状況・EV記号つき) https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/kenchiku/2025/shieijutaku20260115.files/0004_20260115.pdf
- 【同】千葉市住宅供給公社「令和8年度第1期 定期募集住宅一覧表・抽選結果」 https://www.cjkk.or.jp/shiei/result/
- 【同】さいたま市「市営住宅等長寿命化計画」p.23-26(タイプ別・団地別応募倍率) https://www.city.saitama.lg.jp/001/154/007/007/p080749_d/fil/choujumyoukakeikaku.pdf
- 【同】新潟市「市営住宅常時募集・特別募集」(EVなし4・5階の常時先着順化) https://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/jyutaku/jukankyo/01sieijutaku/jyouji-tokubetsu.html