公営住宅の収入基準は年収いくらまで?
政令月収の自動判定【2026年対応】

最終更新:2026-08-05 / 控除の額は公営住宅法施行令第1条第3号にもとづく。給与所得控除は令和7年分以後(最低65万円)の額で計算

市営住宅・都営住宅に申し込むとき、倍率より先に来る関門が「収入基準」です。基準は額面の年収ではなく「政令月収」という独自の計算値で判定され、ここには障害者控除・扶養控除・ひとり親控除などが効きます。つまり同じ年収でも、世帯の事情によって通る・通らないが変わります。このページでは、年収と世帯構成を入れるだけで政令月収を計算し、本来階層(158,000円)・裁量階層(214,000円)のどちらに収まるかを判定します。

この記事の要点収入基準は政令月収158,000円以下が原則。給与収入だけの単身なら年収およそ296万円が目安です。高齢者・障害者・小さな子どもがいる世帯は裁量階層で214,000円まで緩和され、単身+障害者手帳ならおよそ422万円まで上がります。まず下の判定計算機で自分の位置を確かめ、通りそうなら倍率入りやすい住戸の話に進んでください。

① 早見表:収入基準に収まる年収の目安

給与収入だけの世帯について、政令月収が基準ちょうどになる年収を逆算したものです(下の計算機と同じ式で算出)。これ以下なら基準内、という意味の目安です。

収入基準に収まる給与年収(額面)の目安。国の原則額で計算
世帯のかたち本来階層
(政令月収158,000円)
裁量階層
(政令月収214,000円)
単身約296万円
単身+障害者手帳(一般)約335万円約422万円
単身+障害者手帳(重度)約353万円約438万円
夫婦(配偶者に収入なし)約350万円約436万円
夫婦+子1人(16歳未満)約399万円約483万円
夫婦+子2人(16歳未満)約447万円約531万円
ひとり親+子1人約395万円約479万円
高齢者の単身(65歳以上・年金収入)約309万円約392万円
高齢者夫婦(65歳以上・年金収入)約353万円約439万円

裁量階層の欄は、その世帯が裁量階層の対象になる場合のラインです(対象は)。世帯に収入のある人が複数いる場合や、給与以外の所得がある場合はズレます。正確には計算機で。

② あなたの世帯は基準内?【自動判定】

世帯全員ぶんを入れてください。障害年金・遺族年金などの非課税収入は入れません(計算に含めないのが原則です)。

政令月収 判定計算機

収入
万円
万円 給与収入として概算します
世帯の構成(控除の対象)
1人につき38万円の控除

「重度(特別障害者)」は身体1・2級、精神1級、療育A などが目安です(27万円→40万円の控除になります)。世帯の中の人数を、本人ぶんも含めて入れてください。

裁量階層(基準が214,000円に緩和される世帯か)
あなたの世帯の政令月収(概算):
収入を入力してください。

要確認この判定は公開情報にもとづく概算です。基準額そのものを条例で下げている自治体があり(⑤参照)、控除の細かい適用(別居の扶養親族、所得の種類、非課税収入の扱い)も自治体の運用で差が出ます。申込みの可否は必ずお住まいの自治体の募集案内でご確認ください。

③ 政令月収の計算式と、引ける控除の一覧

政令月収は、公営住宅法施行令第1条第3号で次のように決められています。額面の月給とはまったく別物です。

政令月収 =(世帯全員の年間所得の合計 − 控除の合計)÷ 12

給与収入の人は、まず給与所得控除を引いて「所得」に直します(2025年の税制改正で最低額が55万円→65万円に上がりました)。そのうえで、次の控除を引きます。

公営住宅の収入計算で引ける控除(公営住宅法施行令第1条第3号)
控除の種類1人あたりの額
同居親族・別居の扶養親族38万円
特定扶養親族(16歳以上23歳未満)25万円
老人扶養親族・老人控除対象配偶者(70歳以上)10万円
障害者27万円
特別障害者(重度)40万円
寡婦上限27万円
ひとり親上限35万円
給与所得・公的年金等の所得がある人上限10万円

同居親族の控除は「本人を除く」人数分です。ひとり親・寡婦・給与所得者の控除は「上限」で、所得がそれより少なければ所得の額までとなります。最後の10万円は、所得税の基礎控除引き上げに合わせて2021年から加わったものです。

④ 同じ年収でも、障害のある世帯は基準を満たしやすい

控除の一覧を見ると分かるとおり、障害者控除27万円(重度は40万円)は同居親族控除38万円に次ぐ大きさです。これが効くと、境界線上の世帯は結果がひっくり返ります。

具体例給与年収300万円の単身者の場合——
手帳なし:政令月収 160,000円 → 基準158,000円をわずかに超えて申込めない
障害者手帳あり:障害者控除27万円が引かれて政令月収 137,500円基準内(月あたり22,500円の差)

さらに障害者のいる世帯は、多くの自治体で裁量階層として基準そのものが214,000円まで緩和されます。控除で下がり、基準が上がるという二重の効き方をするため、「収入が多いから無理だろう」と思っていた人が実は対象、というケースは珍しくありません。まずは計算してみてください。

当選のしやすさの面でも、障害者・高齢者・ひとり親などは倍率優遇やポイント方式の対象になります。収入基準(入口)と当選確率(抽選)は別の話で、両方で有利になるのがこの制度の構造です。

⑤ 裁量階層とは/基準額は自治体で下がることがある

裁量階層は、特に住まいの安定が必要とされる世帯について、収入基準を158,000円から214,000円まで引き上げられる仕組みです。対象はおおむね次のとおりで、細部は自治体の条例で決まります。

大事な注意158,000円/214,000円は国の原則額で、自治体はこれより低く設定できます。たとえば長崎市は公営住宅の一般世帯を139,000円以下、裁量階層を186,000円以下としています。「国の基準では入れるはずなのに、その市では対象外」ということが実際に起こります。必ずお住まいの自治体の募集案内で基準額をご確認ください。

⑥ よくある質問

Q. 基準を超えていたら、もう申し込めませんか?

A. 公営住宅は申し込めませんが、収入が基準を少し超える世帯向けに特定公共賃貸住宅(特公賃)地域優良賃貸住宅を用意している自治体があります(政令月収158,001円〜487,000円などの範囲)。募集案内の「特公賃」「特定公共賃貸」の項目を見てください。また、収入は前年の所得で判定されるため、退職・減収があった年の翌年は基準内に入ることがあります。

Q. いつの収入で判定されますか?

A. 原則として前年(1〜12月)の所得です。年の途中で収入が大きく変わっても、判定に反映されるのは翌年度になります。自治体によっては現況からの推計を認める特例もあります。

Q. 入居後に収入が増えたらどうなりますか?

A. すぐ退去になるわけではありませんが、基準を超える状態が続くと「収入超過者」として家賃が段階的に上がり、さらに高い水準が続くと「高額所得者」として明渡し請求の対象になり得ます。家賃自体も政令月収の区分で決まるため、収入が上がると家賃も上がります。

Q. 貯金や持ち家は関係しますか?

A. 収入基準は所得で判定するもので、貯金額は原則見ません(生活保護とはここが違います)。ただし「住宅に困窮していること」が別の要件としてあるため、持ち家がある場合は困窮要件で対象外とされることがあります。

あなたの街の基準、教えてください

「うちの市は基準額が国より低かった」「この控除が認められた/認められなかった」といった実体験は、同じように調べている人の大きな助けになります。下のコメント欄(アカウント不要・匿名OK)からどうぞ。個人が特定される情報は書かないでください。

出典

ご注意:このページの判定は公開情報にもとづく概算です。収入基準額は自治体の条例で異なり、控除の適用や所得の種類(事業・不動産・雑など)、非課税収入の扱いによって結果は変わります。実際の入居資格の判定は自治体の住宅担当課が行います。当サイトは個別の可否判定や、税務・法律の個別助言を行うものではありません。必ず募集案内・各窓口でご確認ください。