障害者控除で税金はいくら安くなる?
所得税・住民税・同居特別障害者75万円【申告方法つき】
最終更新:2026-06-30 / 出典は国税庁ほか公式ページ(記事末尾に一覧)
障害者手帳をお持ちの方やご家族は、「障害者控除」で所得税・住民税が軽くなることをご存じですか。控除額は所得税で27万円・40万円・75万円、住民税で26万円・30万円・53万円。ただしこれは「税金がそのまま◯万円安くなる」のではなく、課税所得(税金の計算のもとになる所得)を減らすしくみです。この記事では、控除額の一覧と「実際にいくら軽くなるのか」の考え方、特別障害者・同居特別障害者の違い、そして年末調整・確定申告での申告方法までを当事者目線でまとめます。
この記事の要点障害者控除は所得控除=課税所得を減らすもので、減税額は「控除額×税率」で決まります。等級が重い「特別障害者」「同居特別障害者」ほど控除額が大きく、手帳がなくても市区町村の「障害者控除対象者認定書」で対象になるケースもあります。申告は年末調整か確定申告で行います。
① 控除額はいくら?(所得税・住民税の早見表)
| 区分 | 所得税の控除額 | 住民税の控除額 |
|---|---|---|
| 障害者 | 27万円 | 26万円 |
| 特別障害者 | 40万円 | 30万円 |
| 同居特別障害者 | 75万円 | 53万円 |
この控除は、本人が障害者の場合だけでなく、同一生計配偶者や扶養親族が障害者である場合にも、納税者(その家族を扶養している人)が受けられます。たとえば障害のあるお子さんやご家族を扶養している方は、扶養控除などとは別にこの障害者控除を上乗せして受けられます。
よくある誤解「障害者控除27万円」は税金が27万円安くなるという意味ではありません。27万円は「課税所得から差し引く金額」で、実際に減る税金は控除額×税率です。たとえば所得税率5%の人なら、27万円×5%=約1.35万円の所得税が軽くなる計算です。税率が高い人ほど減税額は大きくなります。
② 実際にいくら軽くなる?(減税額の考え方)
障害者控除は「所得控除」なので、減税額は「控除額 × あなたの税率」でおおよそ決まります。所得税は所得が多いほど税率が上がる累進課税(5%〜45%)で、住民税は原則10%です。下の表は「障害者控除(所得税27万円・住民税26万円)」を受けた場合の、ざっくりした目安です。
| 所得税率 | 所得税の軽減(目安) | 住民税の軽減(目安・税率10%) | 合計(目安) |
|---|---|---|---|
| 5% | 約1.35万円 | 約2.6万円 | 約3.95万円 |
| 10% | 約2.7万円 | 約2.6万円 | 約5.3万円 |
| 20% | 約5.4万円 | 約2.6万円 | 約8.0万円 |
要確認上の金額は「控除額×税率」で計算したごく単純な目安です。実際の税額は、ほかの所得控除・税額控除や復興特別所得税などによって変わります。個別の税額の計算や、あなたが特別障害者に当たるかどうかの最終判断は、税務署・お住まいの自治体・税理士などにご確認ください(この記事は一般的な情報であり、個別の税務相談に代わるものではありません)。
③ 「特別障害者」「同居特別障害者」とは?
控除額が大きくなる「特別障害者」「同居特別障害者」に当たるかどうかは、控除額に直結する大事なポイントです。国税庁の説明をもとに、おおまかな目安を整理します。
| 区分 | 主な対象(目安) |
|---|---|
| 障害者 | 身体障害者手帳3〜6級、精神障害者保健福祉手帳2級・3級、療育手帳(重度以外)など |
| 特別障害者 | 身体障害者手帳1級・2級、精神障害者保健福祉手帳1級、療育手帳の重度(重度の知的障害と判定された人)、精神上の障害により判断能力を欠く常況にある人、6か月以上寝たきりで複雑な介護を要する人 など |
| 同居特別障害者 | 特別障害者である同一生計配偶者・扶養親族のうち、納税者本人・配偶者・生計を一にする親族のいずれかと同居を常況としている人(所得税の控除額が40万円→75万円に) |
つまり、同居している家族が特別障害者にあたる場合、所得税の控除は40万円から75万円へと35万円も上乗せされます。住民税も30万円から53万円に増えます。「同居しているのに同居特別障害者で申告していなかった」というケースもあるため、当てはまりそうな方は一度確認する価値があります。
④ 手帳がなくても対象に?「障害者控除対象者認定書」
意外と知られていないのが、障害者手帳を持っていなくても障害者控除を受けられる場合があるという点です。国税庁の説明では、満65歳以上で、寝たきりや認知症などにより障害者・特別障害者に準ずると市町村長(特別区長)や福祉事務所長の認定を受けた人も、障害者控除の対象になります。
多くの市区町村では、こうした高齢者(要介護認定を受けた方など)に対して「障害者控除対象者認定書」を発行しています。この認定書があれば、手帳がなくても障害者控除(準ずる程度によっては特別障害者控除)を申告できます。介護をしているご家族にとっては見落としやすく、かつ減税効果が大きいポイントです。
要確認「障害者控除対象者認定書」を出すかどうか、どの程度の状態で「障害者」「特別障害者」に準ずると認定するかの基準は自治体ごとに大きく異なります。要介護度だけで自動的に決まるわけではない自治体もあります。発行の可否・申請方法・対象の状態については、お住まいの市区町村の介護保険・高齢福祉の担当窓口で必ずご確認ください【要確認】。
⑤ 申告方法(年末調整・確定申告)
障害者控除は自動では適用されません。自分で申告して初めて受けられます。会社員などの給与所得者と、確定申告をする人で手続きが分かれます。
会社員・パートなど:年末調整で申告
勤務先に提出する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の「障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」の欄に、本人・配偶者・扶養親族のうち障害者に当たる人を記入します。特別障害者・同居特別障害者に当たる場合は該当区分にチェックし、障害の状態や手帳の種類・等級・交付年月日などを記載します。これで年末調整時に控除が反映されます。
自営業・年金受給者・年末調整で出し忘れた人:確定申告で申告
確定申告書の「所得から差し引かれる金額」のうち障害者控除の欄に控除額を記入し、本人・配偶者・扶養親族の別や特別障害者・同居特別障害者の区分を記載します。会社員でも、年末調整で申告し忘れた場合は確定申告で追加できます。過去の分についても、要件を満たしていればさかのぼって申告(還付申告)できる場合があります【要確認】。
体験を募集中「障害者控除対象者認定書を申請してみたらこうだった」「同居特別障害者で申告したら税額がこう変わった」など、申告してみた実体験は同じ立場の人にとって一番役立つ情報です。ページ下のコメントでぜひ教えてください(金額や個人が特定される情報は書かないでください)。
よくある質問(FAQ)
Q. 障害者控除で税金はいくら安くなりますか?
A. 障害者控除は「課税所得を減らす」所得控除です。所得税では障害者27万円・特別障害者40万円・同居特別障害者75万円、住民税では障害者26万円・特別障害者30万円・同居特別障害者53万円が課税所得から差し引かれます。実際に減る税金は「控除額×税率」で、たとえば所得税率5%なら障害者控除27万円で所得税が約1.35万円軽くなる計算です。税率が高い人ほど減税額も大きくなります。
Q. 特別障害者と同居特別障害者の違いは何ですか?
A. 特別障害者は、身体障害者手帳1級・2級、精神障害者保健福祉手帳1級、重度の知的障害(療育手帳の重度)などに当たる人です。同居特別障害者は、その特別障害者である配偶者・扶養親族が、納税者本人や配偶者などと同居を常況としている場合で、所得税の控除額が40万円から75万円に上乗せされます。
Q. 障害者手帳がなくても障害者控除は受けられますか?
A. 受けられる場合があります。満65歳以上で寝たきりや認知症などにより障害者・特別障害者に準ずると市町村長や福祉事務所長の認定を受けた人は対象です。多くの市区町村が要介護高齢者などに「障害者控除対象者認定書」を発行しています。認定基準は自治体ごとに異なるため、お住まいの市区町村に必ずご確認ください。
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出典(国税庁・自治体ほか公式)
- 国税庁 タックスアンサー No.1160「障害者控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1160.htm
- 国税庁「障害者と税」(暮らしの税情報) https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/03_2.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.1170「寡婦控除」等 所得控除一覧 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/shoto320.htm
- 東京都主税局「個人住民税の所得控除」 https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/kojin_ju.html
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」 https://www.keisan.nta.go.jp/